2015年06月19日

人体に深刻な危険をもたらすトランス脂肪酸が野放し 菓子、パン、ファストフードは厳禁

人体に深刻な危険をもたらすトランス脂肪酸が野放し 菓子、パン、ファストフードは厳禁
http://biz-journal.jp/2015/05/post_9977.html

2015.05.18

 日本では、マスメディアでトランス脂肪酸の問題はほとんど報じられないため、事の重大さにお気づきでない人が多いのですが、実はいろいろな意味で大変深刻な問題なのであります。

 トランス脂肪酸は、マーガリンやショートニングをはじめ、スーパーマーケットや食料品店で販売されているサラダ油などにも含まれている物質です。これらはファストフードでは大量に使われており、安価な飲食店で揚げ物を食べた場合にも間違いなく摂取することになります。

 トランス脂肪酸を過剰摂取すると動脈硬化を促進させ、それに伴う心臓疾患や脳血管障害、またアトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎、気管支ぜんそくなどのアレルギー疾患のリスク要因になると指摘されています。さらに血中の中性脂肪を増やし、肥満や高血圧、そして糖尿病の原因にもなると考えられています。アメリカでは「プラスチック食品」「狂った脂肪」などと呼ばれ、含有量表示が義務付けられており、食品医薬品局(FDA)は摂取規制も行っています。

厚労省も消費者庁も野放し

 日本では厚生労働省が管轄すべき問題だと思いますが、なぜか消費者庁が監督官庁になっています。その上で、「日本人のトランス脂肪酸の一日の平均摂取量は0.9グラム前後であり、健康への影響は少ない」という、まったく現実的ではない理由を述べて、一切の規制をせず野放し状態にしています。

 しかし、例えばファストフード店のポテトフライ(Mサイズ)には、4.5グラムのトランス脂肪酸が含まれています。また、大手食品メーカーが販売している、ある人気お菓子1箱の中には、約2グラムのトランス脂肪酸が含まれています。日本で発売されている商品では表示されていませんが、トランス脂肪酸の表示義務がある香港などでは含有量が表示されています。

 WHO(世界保健機関)では、消費者のさまざまなリスクを回避するために、トランス脂肪酸を一日の総エネルギー摂取量の1%以下にするように推奨しています。一日の総エネルギー摂取量を1800キロカロリー程度と仮定すると、その1%は18キロカロリー、脂肪は1グラム9キロカロリーといわれていますから、摂取上限は2グラムとなります。つまり、前述のお菓子1箱で、WHOが推奨している一日の摂取限度を超えてしまうのです。

 これでも本当に「健康への影響は少ない」といえるのでしょうか。コンビニエンスストアなどで売っている菓子類が含むトランス脂肪酸の量は、このお菓子と大差ないと思われます。ポテトフライを食べた日に、このお菓子を食べ、揚げ物も食べたら、いったい推奨されている摂取限度の何倍のトランス脂肪酸を摂ることになるのか、ちょっと考えてみただけで、その危険度がわかるはずです。

それから、安価なケーキなどに使われている植物性のホイップクリームや、カフェやコーヒー専門店にも置かれているコーヒー用クリームにも、トランス脂肪酸は大量に含まれています。これでも日本人のトランス脂肪酸の摂取量が健康に影響ないレベルだというのであれば、その認識は今すぐ改めるべきです。

糖尿病の原因にもなる

 このような事実があるにもかかわらず、マスメディアがほとんどこの問題を取り上げないのはなぜでしょうか。それは一にかかって、スポンサーへの配慮です。もし、マスメディアが本気でこの問題の解決を迫ったとしたら、最も困るのはパンメーカー、菓子メーカー、ファストフード業界でしょう。それらの企業は、大量のトランス脂肪酸を使って製品をつくっています。そして、そのスポンサーから入る宣伝費はメディアを潤わせています。そのスポンサードが断ち切られたら、単なる収入減どころか存亡の危機とさえなるかもしれません。このようなわけで、マスメディアは切り込めないのです。まさにアンタッチャブルな世界なのです。 

 マスメディアの姿勢がどうあろうと、私たちは自分の健康を守らなければならないわけですから、自主的に摂取しないようにしましょう。それは誰のためでもありません、自分と大切な自分の家族、そして親しい人たちのためです。このことに気づいていない人がいたら、そっと気づかせてあげてください。数週間後、または数カ月後、場合によっては数年後に、きっと感謝されることになるでしょう。

 特に筆者が声を大にして言いたいのは、将来子供を産む若い女性たちや、現在妊娠中、授乳中のお母様たちにも絶対にトランス脂肪酸を摂取しないようにということです。授乳中のお母様がトランス脂肪酸を摂取すれば、母乳の中にトランス脂肪酸が分泌されてしまいます。その母乳を飲んだ赤ちゃんの細胞膜の一部がもし、トランス脂肪酸でつくられてしまうと非常に厄介です。

 赤ちゃんだけではなく、大人も、成長期の子供も同様ですが、私たちの細胞膜は脂肪酸でできています。正確にいうと、脂肪酸が代謝されてつくられるリン脂質が中心になって細胞膜が形成されます。本来、その細胞膜は柔軟で細胞の内側と外側で栄養物質と老廃物の出し入れができるようになっています。必要な栄養分を細胞の内側に取り込むために、細胞膜が弾力を持っているのです。

 しかし、一部をトランス脂肪酸で形成してしまうと、その弾力が失われ、栄養物質が細胞の内側に取り込めなくなります。栄養物質の代表であるブドウ糖も取り込まれなくなります。すると、その取り込まれなかったブドウ糖は、血液中にダブつくことになります。実は、それが糖尿病の始まりなのです。

世界的にはトランス脂肪酸を規制する流れ

 数年前、米ハーバード大学の医科大学院グループがこのメカニズムを突き止め、アメリカ国内でのトランス脂肪酸の規制につながっていったのです。日本においても、厚生労働省の職員が、そのことを知らないはずはありません。もし知らないとしたら、そのほうが大問題です。これは「省庁の壁」だなどと悠長なことを言っている場合ではありません。厚労省が先頭に立って規制に踏み切るべきだと考えます。規制に踏み切らない理由があるのであれば、それを詳らかにすべきです。さもなくば、トランス脂肪酸を含んだ食品を製造している企業と癒着しているのではないかと、いらぬ疑いをかけられかねません。

 もう一つ重大なのは、このトランス脂肪酸を大量に含むマーガリンやショートニングを生産するために必要なパーム油を製造するために、東南アジアの熱帯雨林が無残にも伐採されているということです。マレーシアやインドネシアにある熱帯雨林が、急速にパーム油の原材料であるアブラヤシのプランテーションに替わっています。非常に深刻な自然破壊です。

 筆者は基本的に、さまざまな意見があることを歓迎しており、物事をどう捉えようと、どのように解釈しようと自由であると考えています。しかしトランス脂肪酸に関しては、絶対に摂取しないようにすべきと断言します。重ねて申しますと、メーカー側だけに責任があるとは思っていません。

 むしろ責任は消費者側にあると考えています。メーカーは消費者の求めに応じて、安い製品を作り出しているだけです。今となって、急にそれをやめることはできません。メーカーにも企業としての存続の意味と価値があります。したがって私たち消費者は、メーカーが少しずつでも方向転換を図ることができるよう、トランス脂肪酸を使用していることがわかったら、その製品を買わないようにするべきなのです。そして徐々に方向を変えていけるよう促すべきなのです。それは誰かが、いつか始めることではありません。気づいた人が、今から始めるべきことだと思います。

 トランス脂肪酸の規制に関する世界的な動きは、もう止めようもありません。これに気づいたメーカー側も積極的に方向転換を図るべきです。トランス脂肪酸を使っての製品づくりに固執するメーカーに将来はありません。また、トランス脂肪酸を食べ続ける消費者にも未来はありません。
(文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事)



posted by 万福ダイエット at 18:55| Comment(0) | TrackBack(0) | トランス脂肪酸 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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